旅々、沈々。

祐子は、今日も頭痛で寝ています。
そろそろ薬を飲んでくださいな。
もしもしもし万が一デング熱だったら、アスピリンは、「出血傾向を増強する恐れがあるので禁忌」なので、バファリンの説明書をよく読みますね。
えーと隅々までを目を通しましたが、どこにもアスピリンと書いてないので、さっさと飲んでください、祐子。
と、言いながら珍しく小さな胸が騒ぎます、もみもみ。
ネットで調べたら、成分のアセチルサリチル酸って、アスピリンなんですね。
でも外箱を見たら、小さな字で「ピリン系ではありません」ってありました。
「ピリン系ではない」とは、アスピリンではない、ということなのだろうか？
アスピリンって、アスなピリン系、ですか？
じゃ、アスって何だろ。
さっぱりわからん。
ま、とりあえず危ない橋は渡らなかったということで、一件落着にしとこ。
　
夜、宿のリビングで、西洋人の青年がネットに繋がらないと、FUCK FUCKと騒いでました。
ボクに訊かれても、知らんがな。
ま、ボクのMACは快調に繋がってるけどね。

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祐子は、頭痛、眼窩痛。
朝飯も食べず、一日中寝てました。
ちなみに眼窩痛って、デング熱の症状のひとつです。
デング熱には特効薬はなく、症状に応じた対症療法が基本だそうです。
祐子は、熱も発疹もないけどね。
　
仕事。
ボクが贔屓にしている「金沙園生肉麺」の女性店員の態度悪すぎ。
得意の油そば「コーローミー」を注文したら、ものすごくきついガンを飛ばされました。
知らない娘さんに睨まれると、凹みます。
愛してくれとは言いません、意味なく冷たくしないで欲しいのです。
　
昨日盗まれたスリッパを二階の廊下で発見。
掃除のおばちゃんが、今朝出発した日本人の部屋で見つけたそうです。
許しマジ、日本人！

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とにかくどこかへたどり着いたら、北へ向かう旅、ボクらは「最北端流」家元を名乗ってます、昨日から。
深い意味はありません。
名乗りたい年頃なのです。
　
昨日修理したばかりの、それでもフロントブレーキは壊れたままのオンボロバイクで、ボルネオ島の最北端（Tip Of Borneo）までドライブ。
陽差し強く、時々、砂利道。
世界で三番目に大きい島ボルネオ島の、意外に整備された最北端は、季節外れなのか、観光客ゼロ。
あのマゼランが立ち寄った、由緒ある岬です。
岬をまっすぐ泳げば、フィリピン。
南シナ海とスールー海が衝突する海を撮影して、思えば遠くへ来たもんだと、ひとりごちる。
これが「最北端流」です。
それにしてもべたつく汗が気持ち悪い。
　
帰路、ノマドりました。
小さな町のケンタッキーフライドチキンで昼飯食って、ネットしようとしたら繋がりません。
電波は飛んでいるけど、繋がらない。
こういうときは、お店にルーターの再起動を依頼します。
時には、再起動の意味や、手順を教えなければなりません。
今回は、再起動してもWi-Fiは復活しませんでした。
世界を跨いでノマドワーカーしていると、ネットが繋がらなくても、いちいち驚きません。
再起動して効果がないなら、お店の人は百発百中頼りになりませんから、さっさと見切りをつけて、他を探します。
炎天下を歩きまわってWi-Fiカフェを見つけ出し、納品データを送信。
一件落着。
これが、世界を跨ぐノマドワーカーの「見えざる」実態です。
　
コタキナバルの定宿へ戻ったら、下駄箱に置いといたスリッパが盗まれてました。
こういうとき、宿の人は頼りになりません。
あ、そう、と言われるだけです。
犯人を憎んで宿を憎まず、でないと、旅が辛くなります。
　
祐子は、頭痛、眼窩痛です。
ボクは、足の指のいっぽんいっぽんが痒いです。

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今日は、ボルネオ島の最北端を攻めます。
我が家の旅は、最北端を目指す流儀でございます。
これを最北端流と申します。
　
朝一でレンタルバイク屋へスクーターを借りに行ったら、「予約したスクーターは貸せない」と、断られました。
代わりにHONDA EX5（Made in Malaysia）に乗れと、威張ってます。
HONDAも悪くないけど、クラッチ操作は面倒だからオートマに乗りたいのです↓

「昨日そこのスクーターを指定して、RM80（2,017円）払ったんだけど...」と波が立たぬように申し立てたら、「そんなことは覚えてないので、スクーターは貸せない」と、容赦なくハネツケラレマシタ。
忘れたことを威張るとは、ズルイです。
覚えているボクが、謝りたくなるじゃないですか。
HONDAの方がスクーターより安いならと妥協点を探したら、HONDAがRM10（251円）も高いって言うし、なぜか彼は常に上から目線だし、和平の材料が見つかりません。
しかたがない、タフネゴシエーターになるべく、心のスイッチをひとつ切って、貸せないなら昨日言うべきだ、約束を守ってもらう、と、至極当たり前のお話を、延々と繰り返してみました。
結果、スクーターの値段でHONDAを借りるという、両者痛み分けとなりました。
　
そんな曰く付きのHONDAをちんたら運転していたら、スピードメーターが壊れていることに気がつきました。
それくらいは、いいか...。
燃料メーターも壊れてました。
ま、それもいい、許しましょう。
トリップメーターも動きません。
そ、それも許そう。
フロントブレーキが効かず、信号待ちのトラックに追突しそうになりました。
これはあかんやろ！
バイクのブレーキが効かないっす、って後部座席の祐子に報告したら、後ろブレーキも効かないの？　って、他人事のように冷静なアドバイスをいただきました。
そうか、バイクって後ろブレーキがあるのか...と、たいへん勉強になったボクです。
OJTしてます。
　　
そんな曰く付きに曰くが重なったHONDAは、170キロくらい走った野山のど真ん中で、突然動かなくなりました。
チェーンは回ってるけど、後輪が回転しません。
目的地の町クダまで、あと13キロ。
現場は、家も畑も歩道も日陰も何もない、ただの道路です。
祐子がヒッチハイクして、ボクが炎天下で留守番です。
クダの町で修理してもらったら、日が暮れてしまいました。
ボルネオ島の最北端へ、届かず。
全身が汗でベタベタ。
　
夜、緊急の仕事が入りました。
そんなこともあろうかと、Macを持ち歩いています。
ノマドワーカーは、今宵も働くのでありました。

posted by yoshi

明日ボルネオ島の最北端まで遠征するため、レンタルバイクの予約へ。
開店時間の9時に行きましたが、お店は開いてませんでした。
隣で並んでた、白いランニングシャツにどう見ても下着にしか見えないパンツを穿いた、それじゃぁ服着てないんじゃん、って感じの、身長180センチオーバーの太った西洋人、ローレンソとお喋りして、暇つぶし。
彼はハンガリー生まれのドイツ育ち、その昔中国人と結婚してたそうです。
奥さんがあまりにも「金、金、金」とやかましいので、"We must separate!" と捨て台詞を叩き付けて別れた、四十歳のオヤジです。
別れた奥さんの家の掃除はとてもきれいだったとフォローしてたけど、もう二度と結婚はしない、と憎々しげにボヤイテマシタ。
子どもはいないのかと訊かれました。
いないよ。
なぜ子どもを作らないの？
なぜって言われてもなぁ...。
努力をしたのか？
努力ってなんだろ、としばし想像..、想像...。
とりあえず"God only knows."と爽やかにかわしましたが、俺は三人は欲しいな、と腕を組んでうなずいてました。
君の子づくりプランの抱負なんか、これっぽちも知りたくありません。
彼はフィリピンのボラカイ島フリークで、ボラカイいいぞぉ〜、毎晩パーティがあって、女の子が、うひひひひ、あ、そうだ、君は奥さんいるんだっけ、I'm sorry!　あっ、だけど、もう二度とアジア人とは結婚したくない、と勝手にいつまでも喋ってました。
それにしてももう9時45分。
いつになったらバイク屋は開くんだ？

「金沙園生肉麺」の油そば「コーローミー」が、報告せずにはいられないほど絶品。

何を入れたらこんなに濁るんだろ、って感じの汚れたスープに入った具が、名脇役でした。
朝七時から16時までという営業時間を、20時くらいまでのばして欲しいです。

posted by yoshi