-サガルマータ-

室温マイナス七度。
寝袋が吐息で濡れて、痺れるほど冷たいです。
リビングのストーブの火が弱いので、ふーっと息を吹きかけたら、消えてしまいました。
え、えらいことをしてしまった。
 
外、マイナス10度。
雪。
ダイヤモンドダストが、キラキラ輝いてます。
死の輝き。
 
今日は、このトレッキングのクライマックスです。
いよいよエベレスト・ベースキャンプへ突入いたします。
ルートは、

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ロブチェ(Lobuche/標高4,910m)から、ゴラクシェプ(Gorak Shep/標高5,140m)。
荷物を置いて、エベレスト・ベースキャンプへ。
地図の右側の「チョモランマ」が、エベレストのことです。
チョモランマがチベット名で、サガルマータがネパール名で、エベレストがヨーロッパ名。
 
下の写真をご覧の通り、今日はメチャクチャ寒いです↓
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うっすらと雪…、というか、こびり付くような雪↓
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いったいボクらはどこへ行くつもりなんですかね。
朝なんだか昼なんだかさっぱりわからん陰気さです↓
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写真ではわかり難いけど、左から右へ氷河が流れてます(写真の真ん中より下の土ぼこりの部分)↓
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痺れるような極寒は、休憩してても会話は弾みません。
チャコちゃんとガイドのラマさん、会話してません。
たぶんテレパシーしてます↓
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ところで、シャワーを浴びない歴、四日目です。
靴下菌が寝袋に飛び火して、同じ発酵臭を醸し出してきました。
意外に嫌いな匂いではないのが、反って危険です。
 
9時半、最後の集落ゴラクシェプ(Gorak Shep/標高5,140m)に到着↓
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今晩の宿↓
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外見は立派な石造りだけど、家の中は外とあまり変わらないくらい寒いです。
石造りの家って、基本的に室内を暖める機能はないようで、逆にお日様の暖かさをブロックしてます。
 
11時、宿に荷物を置いて、満を持して、いよいよエベレスト・ベースキャンプへ最後のRUN!
走らないけど…
一応、東京で普通に着てた普段着で、エベレスト・ベースキャンプを目指してまして、「普段着登山家」と名乗ってみました。
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ベースキャンプ寸前です↓
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13時、めでたくベースキャンプに到着。
エベレストに登る人は、そのままボクらの後ろの雪の上を歩いてってください↓
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ベースキャンプの周囲は、雪と氷の世界。
毎年春には、ベーカリーとネット屋さんが出店するそうです↓
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少しずつ、晴れて来ました↓
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頑張ればその辺の山くらい登れそうな…↓
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13時20分、帰り始めたボクら。
あー、やれやれ↓
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帰りは、すっかり晴れた↓
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15時10分、Lodge着。
仕事。
メール。
NHKの原稿執筆。
極寒でノマドしてます。
 
夕焼けが綺麗やわ↓
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  • 朝→ 覚えてません
  • 昼→ 覚えてません
  • 夜→ チャーハン。祐子はチキンヌードルスープ

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シャワーを浴びない歴、五日目。
全員、寝癖頭全開です。
ま、ボクは坊主なので、いつもと同じヘアースタイルです。
靴下が、けっこうヤバいです。
経験したことのない、新しい芳香剤になってきました。
 
今日のルートは、ゴラクシェプ(Gorak Shep/標高5,140m)から、カラパタール山(5,550メートル)に登って、ディンボチェ(Dingboche/標高4,410m)へ↓

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気温マイナス14度。
寒いというか、むしろ痛い。
今日は酔狂にも、カラパタールの5,550mに挑戦しました。
風で、鼻がもげそうです。
体感温度は、マイナス30度ですから(根拠のない個人的推定です)!
足の指先も、もげそうです。
自慢じゃありませんが、ボクの靴は夏用なので、ところどころにメッシュが入ってます。
冬のエベレストで、通気性バツグン!
威張れません。
 
寒さでカメラの充電が切れるので、電池を握りしめて登ってます。
 
足はたいして疲れてないけど、気力がゼロ。
一度立ち止まると、脳から足へ命令が届かなくなり、足が動きません。
一歩が踏み出せない。
粗い呼吸だけ。
ズーハーズーハー。
無気力ながらも自暴自棄になったころ、なんとか登りきりました↓
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絶景を楽しむ余裕なし↓
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鼻をかんだら、鼻水の半分くらいはティッシュからはみ出て、手にかかってました。
ごくあたりまえの単純な動作が、出来なくなってます。
この鼻水をどう処理したらいいのか、頭が凍っていてよくわかりません。
  
タルチョがたなびく↓
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ポーズをとるというより、固まってます↓
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東京にいたときと同じ服装で挑むと言ってましたが、今日は洒落にならないほど寒いので、ジャケットを着てます。
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10時半に下山し始めて、12時半ロブチェ着。
休憩。
五十分後、Thukla。
一時間20分後の16時、ディンボチェ(Dingboche/標高4,410m)着。
 
i-Pod Touchの充電が切れないよう、寝袋に入れて寝てます。

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  • 朝→ フレンチフライと卵焼き。祐子はパンケーキとピーナッツバター
  • 昼→ 覚えてません
  • 夜→ チャーハン。祐子は芋ツナ

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シャワーを浴びない歴、六日目。
頭を洗いたいとか、そういうことを考えない。
頭は痒いかもしれないし、痒くないかもしれない。
寝癖がひどいかもしれないけど、坊主だからたいしたことない。
髪の毛について考えてはいけない、と考える。
頭の存在を忘れる。
眉毛から上はないものだと、意識しないように意識する。
でないと、生きていくのが辛いです。
意外に気にならないのが、お股。
たぶん大丈夫。
たぶんイケル。
 
今日のルートは、ディンボチェ(Dinboche/標高4,410m)からチュクン(Chhukhung/標高4,730m)へ散歩して、オーショ(Orsho/標高4,000m)↓

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室温マイナス三度。
トレッキングの初日から、同じタイツを穿き続けてます。
寝るときも脱ぎません。
寝る前に脱いだジャケットとズボンは、寝袋の下に敷いて暖めます。
お陰様で、消防隊員のように着替えが早いです。
 
控えのパンツはあるのだけれども、なぜか同じものを穿き続けてます。
意味のない、男の意地です。
 
ちゃこちゃんと祐子が、シブトンジュースなるものを飲んでます。
オンコの実だと言ってますが、ググっても出て来ません。
 
トイレの水が凍るので、ブツを流すことができず、便器は一夜にして残念です。
便座が低いので、西洋人には辛かろうと思われます。
 
チュクン(Chhukung/標高4,730m)へ散歩。
天気がいいので、余裕のボクら↓
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8時に出発して、10時半着。
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陽射しよし。
大地は石でできている。
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凍った小川をいくつも超える。
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今晩の宿↓
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一時間40分で、Lodgeへ戻りました。
今後は、高山病の薬「ダイアモックス」は、飲みません。
 
皆さんにお話を伺えば、シャルパと言えども、単身赴任だそうです。
田舎の子供は、五歳で親元を離れて寄宿舎生活に入ります。
そんなんで親子の絆とか、あるんでしょうか。
 
最近流行のソーラーパネル↓
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中国製は、パネル一枚一万円。
チベットから売りに来ます。
安いけど、一切の保証なしです。
電力的には、いくつかの薄暗い照明が四時間くらい点きます。
ボクらは八時には寝るので、それで問題ないです。
 
シェルパの運賃ですが、ルクラからナムチェまで、卵を13個運ぶと400ルピー(384円)。
普通の荷物だと、1 kgにつき35ルピー(33円)。
ナムチェからテンゴチェまでは、1kgにつき30ルピー(28円)。
カトマンズからルクラまでの飛行機の送料は、1kgにつき110ルピー(105円)。
ジリからセンボチェまでの飛行機は、1kgにつき120ルピー(115円)。
 
15時10分、オーショ(Orsho/標高4,000m)着。
チャコちゃんから借りた、帚木蓬生の「水神」を読んで、枕を濡らしてます。
足ることを知るものは、富めり。

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  • 朝→ フレンチフライと卵。祐子はミックスヌードル
  • 昼→ チーズオムレツ/Raraヌードルスープ
  • 夜→ 覚えてません

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今朝の室温0度。
枕元のペットボトルの水は、もう凍らなくなりました。
 
シャワーを浴びないで、一週間。
なんとかなるもんですね。
ふとしたときに、突然立ち上がったときとかに、なんか獣臭が漂うけど、何者かが近くにいる気がするけど、ちゃこちゃんとか祐子には気づかれてないようです。
親父臭とは違う、生臭い何かです。
とにかく今は誰とも、例え薬師丸ひろ子や杉田かおるでさえ、親密な関係にはなりたくありません。
ボクの願いは、それだけです。
 
今日のルートは、オーショ(Orsho/標高4,000m)から、キャンジュマ(Kyangjuma/標高3,550m)です。

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キャンジュマは、美味しいナクのチーズが買えます。
チーズは、レーズンと一緒に食べると、モアベターです。
 
ソーラーパワーの湯沸かし器(正面)です↓
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ソーラーパワーの湯沸かし器(背面)です↓
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三時間かけて、お湯を沸かします。
ジャガイモも茹でられると、威張ってました。
こんなインチキくさい機械に15,000円も払ったそうで、とにかく何かにすがりたい、そんな切実なエネルギー事情なんです。
電気もねぇ、薪もねぇ…、燃やしていいのは糞だけだ、の悲しき集落です。
 
崖道も楽しい↓
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エベレスト、ローツェ、アマダブラム↓
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平和そうになびくタルチョー↓
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休憩↓
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テンボチェとタンボチェは、水力発電の電気を使ってます。
小さな川の横に建ってたみすぼらしい小屋が、水力発電所でした。
 
シャルパがベニア板なんかを運ぶと、100kgぐらいあるそうなんですが、一日3,500(3,419円)~5,000ルピー(4,884円)ほど、稼げるそうです。
Tembocheで、お茶休憩。
Phunki Tengaで昼食。
14時に出発して、15時20分キャンジュマ(Kyangjuma/標高3,550m)着。
薪ストーブ。
部屋にコンセントがあってずいぶん喜んだものですが、使えませんでした。
トイレの横に洗面台があって、珍しいこともあるもんだと、驚きました。
久しぶりの水洗トイレ。

posted by 44と書いてyoshiと読みます。

  • 朝→ フレンチポテトと卵。祐子はハッシュドポテト
  • 昼→ 覚えてません
  • 夜→ 覚えてません

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