旅々、沈々。

トップの写真が、部屋から望む景色です。
　
仕事が佳境にさしかかりました。
忙しいです。
フランス人の庭師、フレッドが出発。
　
ところで先日もご紹介しましたが、宿の雌犬にしつこく言い寄る雄犬がいます。
茶色い目をした外国人顔の奴です。
今宵の彼はいつになく粘り腰でして、幾度となく彼女の本気咬みに黄色い悲鳴をあげていますが、全然メゲマセン。
果敢に股間を追い求めます。
そうとう切羽詰まった状況なのでしょう。
目が明後日を見ています。
とうとう泣きながら素振りを始めました。
一心不乱にシャドーボクシングです、人ん家の玄関前で。
試合はないんだ、君の不戦敗なんだ。
切ないからやめてください。
心からそう思います。
　
雲のまにまにうすボケた満月。
今宵の月は近いんですか、そうは見えませんが。

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休む間もなく仕事。
フランス人のサーファー、フレッドが地元民の小舟に乗って、沖へ。
写真を撮りました（トップ画像参照）。
　
宿のハンモックでくつろいでたら、見知らぬ人に話しかけられました。
「なんとかこんとかで、6号室がうんちゃらこんちゃら...」
ははぁ、6号室に入る新しいお客さんか、と思い
「ボクは1号室です、どうぞよろしく」
と笑顔を返しましたが、どうやら6号室のフレッドに来たお客さんでした。
ま、そんなもんです。
ボクの実力は。
　
晩飯の鶏の骨を猫に差し上げました。
バリバリ食ってました。

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朝7時、イケメンのフランス人フレッドと泳ぎに出かけました。
母上様、ボクもフランス人と二人っきりで海水浴に行くほどの漢（おとこ）になったのです。
黙って歩くのも気まずいので、日本では原子力発電所が燃えてるとか、放射能が強すぎて近寄れないとか、食料品やトイレットペーパーやガソリンを買い占めてる人がいるとか、余震が続いているとかをボクが小学生以下の世にも恥ずかしい英語で説明します。
フレッドはかなりの天才なのか馬鹿なのか、ふむふむなるほどそれは悲惨だと、顔をしかめて聞いてくれます。
10分ほども海岸線を歩くと、泊ろうと思えば一泊くらいは泊れないわけじゃないラマダホテルの100メートルくらい手前に着きました。
ボクらは、人っ子ひとりいない静かな海へ入水自殺するかのように進み、腰まで浸かってから泳ぎ始めました。
かなり沖まで。
そうとう深くまで。
亀もサメもワニも鯨にもお会いできませんでしたが、青いヒトデがたくさんいました。
飾り気の少ない質実剛健な珊瑚礁と統制のとれていない魚たち。
　
仕事に忙しい祐子を宿に残し、ダウンタウンへ。
銀行、市場、スーパーマーケットを回り、食料品の調達。
ヤシガニが5,000ｖｔ（5,000円）もして買えません。
　
午後に二回地震がありました。
マグニチュード6.5。
誰も津波を心配していません。
どうしてなのでしょう。
先日日本を襲った津波から、何も学ばなかったのでしょうか。
　
超円高です。
あわててFXでもしようかと証券会社へ繋いだら、残高が2,752円しかありませんでした。
もしかして楽天にお金が眠っているかもとサイトを覗いたら、パスワードがわかりませんでした。
そうこうしているうちに、円安に向かいました。
起動力のない貧乏人は、儲けられない。

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早朝から仕事。
祐子に引き継ぎ、軽く海水浴。
巨大なウニと小魚の群れ、地味目なサンゴ礁。
地元バヌアツ人の小舟。
あのウニ、食べられるのだろうか。
毒とかないだろうか。
　
韓国人のオーナー夫人ヘレナから、キムチを頂きました。
オーナーの旦那ソロモンがオレンジ色のサンゴ礁を2,000ｖｔ（2,000円）で買って帰り、フランス人のサーファー、イケメンのフレッドが興味津々です。
フレッドはオーストラリアに持ち帰りたいようで、持ち出し可能か調べるそうです。
あんな朝鮮ニンジンみたいなサンゴを欲しがるとは信じられん。
　
オーナー夫人ヘレナから韓国の大衆ゲーム「ゆのり」を頂きました。
お二人で楽しみなさい、とのことですが、ボクら夫婦はゲーム類をしないんだよね、まったくもって完全に。
とはいえ、仕事が落ち着いたら遊んでみます。
　
祐子が宿のフライパンを落として、壊してしまい申し訳なく存じます。
すぐにでも正直にお詫び申し上げたいのですが、宿代の値引き交渉が控えているため、後日改めてご報告、謝罪いたします。
　
鶏の小骨を猫に差し上げましたが、いけなかったでしょうか。
キムチが美味しいです。
　
原子力発電所の爆発と火事が心配です。
しかかり仕事の納期が、ずりずりと延びています。

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早朝から、海を眺めながら仕事。
潮風。
　
バスに乗ってメインストリートの高級ショッピングセンターの二階にあるイミグレへ赴き、二番窓口の動きの緩慢なおばさんに、ビザの延長をお願いしました。
帰国便のチケットは、まだ延長していない日付でしたが、感心ないようでした。
ひと月ごとに申請すれば、最長4カ月滞在できるそうです。
手数料はかかりませんでした。
　
食料品の買い出しをして、帰宿。
午後は祐子が働く。
夜から深夜まで、拙者が働く。
　
ところでこの宿にはお年頃の雌犬がおりまして、ご近所の雄犬連中が狙ってます。
順番に彼女の股間を嗅ぐ彼らの切羽詰まった姿を見るのは、同じ道を歩いたかもしれないボクとしてはなんとも忍びないです。
痛々しいです。
切ないです。
帰ってください。
心からそう願います。

posted by yoshi