トイレに貼り紙が、
「紙を流してはいけません」
もう遅い。。。
次、いつシャワーにお目にかかれるかわからないので、シワの奥の奥にまで石けんを塗りたくって、丹念にシャワーを浴びました。
野宿はしませんが、ロシアでは基本的にスタヤンカと呼ばれる有料駐車場に泊まります。
今日も雨。
午前10時18分、スタート。
旧日本軍の敷いた軍用道路を走り始めて一時間後、小さな村のスーパーマーケットの前で休憩。
さりげなくパトカーに横付けされました。
警察官が、窓越しに何か言っています。
なにも悪いことはしていませんと、堂々とパスポートと車の書類を見せます。
後ろを指差していつまでもぐだぐだ言っているのですが、そのぐだぐだのなかに英語が少し混ざってました。
「DON’T STOP!」
駐停車禁止区域でした!
ご免!
小雨、豪雨、普通の雨。

右手に太平洋。左手はサハリン鉄道の線路。
健康的な雑草に覆われた、憐れな墓たち。
世界遺産に登録されそうな、傾いた木造家屋たち。

コンクリートの廃墟も少なくない。
ストリートアートが描かれていないのは、たぶんペンキを買うお金がないんだね、ロシアの若者。
打ち寄せる波に向かう、命知らずの釣り人。
昼は、車の中でご飯が炊ける炊飯器「タケルくん」。

炊きあがったご飯は少々柔らかめ。
水につけ過ぎたからかもしれません。
ドンマイです。

ちゃこ隊長からもらった「ご飯ですよ」とピクルスがおかずです。
カフェという名の祖末な食堂で、ピロシキらしきパイ包みとボルシチと卵焼きを食べた後、隣の席のおじさんがこちらを見てはニヤニヤ笑っているので、声をかけました。
「おじさん、この町でスタヤンカ(有料駐車場)知らない? 駐車場で寝たいんだけど」
どっからみても日本人にしか見えない顔をしたおじさんが、
「この町にはないね。隣に行けばホテルがあるけれど」
「ホテルは高いから泊まりたくないのよ」
「じゃぁ、キャンピングはどうだい?」
「キャンピングならいいね〜。案内してくれる?」
といった感じの会話がなされたと思うのですが、なんせ先方の言葉の9割はロシア語。
ホテルとキャンピングぐらいしか英語がなかったので、自分でもナニを話していたのか、よくわかりません。
ものすごく心もとないながらも、誘拐される覚悟でおじさんの車に付いて行きました。
全部未舗装のダート道。
小石あり、砂あり、穴あり、人生ありの136km、約二時間半。
精も根も尽き果てたころ、ティモフスクという町のホテルに案内されました。
「おじさん、これってキャンピングじゃないじゃん。ホテルじゃん」
「ホテルじゃないと、トイレがないだろ」
「トイレはいいのよ」
「よくはないだろ、トイレはいるだろ」
的な会話がなされたと思うのですが、おじさん半分怒っているし、よくわかりません。
とにかく丁寧にお礼を言って、固い握手をかわし、サービスにハグまでしておじさんと別れ、雑居ビルの横の駐車場で寝ました。
トイレについては、質問しないでください。
もう真っ暗なのです。
そういえばおじさん、「この車で北端のオハまで行くの? 馬鹿なの?」って、鼻で笑ってました。
無理ですかね?
北緯51度の深夜。
駐車場は、なぜか子どもの声でうるさかったりするのです。
posted by 44と書いてyoshiと読みます。
- 朝→ パン、ジャム、ピクルス、夕べの残り
- 昼→ 自炊:タケルくんで炊いたご飯とご飯ですよとピクルス
- 夜→ カフェ:ボルシチ、ピロシキみたいのと卵焼き(251ルーブル)